○これまでに判った事
昨年の7月から断続的に強制送風式のミニ薪窯の作成に取り組んで来ましたが、ほぼ日常的使用に耐える窯になりました。
強制送風式の利点としては、以下の点があげられます。
1、短時間での焼成が可能となる
2、完全燃焼に近い燃焼を実現出来るので、煤煙を減少させる事が出来る。
3、燃料の熱量を最大限生かす事が出来るだけでなく、雑木燃料の欠点である燠(おき)の残存を減少させる事が出来る。
又、欠点としては、
1、小さな窯に限定される。
2、送風機の音がする。
3、燃料の投入を頻繁にする必要がある。
4、薪を小割りにする必要がある。
といった点があります。
試行錯誤の末に辿り着いた構造は市販の小型灯油窯の構造に近いものでした。当初、焼成時間を8〜10時間と推測した根拠が市販の小型灯油窯の昇温速度でしたから、燃料の灯油を雑木に置き換えただけですから結果は当然と言えば当然の結果です。
灯油窯は燃料の供給を自動で行えますから便利です。薪となると手動での供給なので不便なのですが、そのかわり種類の異なる燃料を試す事が出来、範囲の広い実験が可能となります。
ドライヤー1個の送風量は1分間に1〜1.5立方メートルほどですが、安物は1立方メートルが限度です。ガラテク窯の推定必要最大送風量は1.7〜1.8立方メートルで、ドライヤー2個弱の風量が必要でした。7〜8千円で強力なブロワーも市販されていますから、もう少し大きなサイズの薪窯でも強制送風式に出来ると推定されます。
ミニ窯の場合には赤松燃料のように油分の多い燃料は必要では無いというよりも煤煙を増加させ、煙突ばかり加熱させるので、かえって不都合でした。油分は燃焼室から距離のある箇所に熱エネルギーを運ぶために必要なので、ガラテク窯のようなミニ窯には不向きのようです。
ロストルに使用した鉄パイプは当初は使い捨てのつもりでしたが、何回も使えました。送風が適切であれば、さほど高温にならず、火止め後も小型の窯のために急冷になるためと思われます。
強制送風式ですと、送風口の形状を工夫する必要があります。口が狭いと一部分だけの炎が強烈となり、窯内温度のバラツキを生じます。
七輪陶芸窯では炭火で囲まれた範囲だけが高温になるので、輻射熱が足りず又還元が強くなりがちなので、粘土を選ばないと水漏れをおこし易いのですが、8〜10時間の焼成であるガラテク窯であれば市販の小型窯とほぼ同じ位の焼きになります。
内容積を小さくすれば、より短時間で昇温するはずですが、薪の投入口の大きさや薪のサイズを、そうそう小さくするわけにもいきません。又、輻射熱と炎の強弱と性質、及び焼成時間とのバランスを考えると、ガラテク窯のサイズが実験用の薪窯として必要最小限度のように思われます。
以前製作した薪窯は、これよりはサイズの大きい窯でしたが、焼成に一昼夜を要しました。ガラテク窯も強制送風を用いなくとも昇温すると思いますが、やはり一昼夜近くかかると思われます。焼成の多様な要素を検討するには実験回数が必要ですから、10時間以内で焼成出来る窯は好都合なのです。
強制送風自体は灯油窯、ガス窯も同じなのですが、薪窯には導入されてきませんでした。しかし、部分的にでも強制送風を導入すれば、使用燃料の幅を広げる事が出来、燃料の熱効率の向上、煤煙の減少、焼成時間の減少に繋がるものと期待されます。又、灯油もガスも化石燃料であり、カーボンニュートラルを実現する薪燃料の効率的利用を考える上でも強制送風方式は検討に値すると思います。
現時点でのガラテク窯の仕様は以下のとおりです。
●焼き物雑記式強制送風式ミニ薪窯
イ、製作費ーーーー−4万円
ロ、内容積ーーーーー90リットル(内、釉薬ものの焼成可能容積は30×30×
30、焼成室の容積は40×40×40)
ハ、構造ーーーーーー半倒炎式
ニ、使用送風機ーーードライヤー2個(他に薪の投入口のエアカーテン用にドライ ヤー1個、 二次燃焼装置用に浄化槽用ブロアー1個)
ホ、使用燃料ーーーーー主に雑木の割木
ヘ、昇温速度ーーーーー素焼きは2〜3時間、SK7で約8時間、SK8で約9時間、 SK9で約10時間
ト、燃料使用量ーーーーSK7で約60Kg、SK8で約70Kg、SK9で約80Kg
チ、使用目的ーーーーー実験用